その手をぎゅっと掴めたら。


今日を楽しみにしつつ、同じくらい緊張もしている。

罰ゲームで葉山くんに嘘の告白をしたことを打ち明けようと決意してきたからだ。

もう隠し事は嫌なんだ。
ちゃんと謝りたい。


私の広げたお弁当をじっくり見つめた後、「いただきます」とおかずを食べ始めた葉山くんは明るい表情でこちらを見る。


「本当に美味しい」

「良かった…」


唐揚げに卵焼き、タコさんウインナー。一口ハンバーグに、ベーコンの野菜巻き。ありきたりなものだけれど、最初から失敗はしたくないと作り慣れているものを選んだ。


「これも食べていい?」

「どうぞどうぞ。たくさん食べてね」


葉山くんにおにぎりを渡し、水筒を取り出す。淹れてきたコーヒーを注ぐと、湯気が立ち、香りも漂う。


「おじいちゃんがお店で淹れていたコーヒーには程遠いけど、味見してもらえる?」

「もちろん」


青山さんは美味しいと言って、私を励ます意味も込めて大袈裟に褒めてくれるけれど、葉山くんの口には合うだろうか。


「……ん、美味い」

「本当に?」


さすがに彼女の淹れたコーヒーの酷評はできないよなぁ…。