その手をぎゅっと掴めたら。


週明け、夜の勉強が響いていつもより遅く登校した。

既に凛ちゃんは登校していて、机に突っ伏している。そして久しぶりに雪ちゃんの姿もあった。雑誌を見ながら早紀ちゃんと話していて、その輪に入りたい気持ちをグッと堪える。雪ちゃんは小テストのことを聞いただろうか。


葉山くんとのデートは小テストの翌日に決まった。


そしてその日、嘘告白のきっかけが罰ゲームということ、今回の小テストの賭けのことを葉山くんに打ち明けようと決めた。


いつまでも嘘をつくことは心苦しいし、きちんと謝りたいと思った。そして次、また凛ちゃんに罰ゲームの話を持ちかけられた時はきっぱり断るのだ。

もうこれ以上、ゲームに振り回されたくない。私は私の意思で、葉山くんと付き合いたいから。


そっと葉山くんを伺うと、珍しく目が合った。

しばらくの間、瞬きも忘れて見つめ合う。


逸らすタイミングが分からずに、綺麗な瞳に吸い込まれそうになった。