その手をぎゅっと掴めたら。


嫌な予感がする。

「ゲーム?」


「次の英語の小テスト、私と早紀と、雪と。また賭けようよ。もしテストの点数、真奈が私たちより上だったら仲直りしてあげる。でも真奈が最下位だったら、その時はーーモテ王子と別れて」


「え?」


「元々、あたしたちの罰ゲームで付き合うことになったんだから、問題ないでしょ?」


そんな…。
理不尽な賭けだと否定したいけれど、凛ちゃんの言う通りだ。

罰ゲームから始まった関係。
罰ゲームがなかったら、葉山くんと親しくなることもなかっただろう。


小テストは2週間後。
短期勝負。


「分かった」


4人の中で最下位の私がトップまで這い上がれるのだろうか。

2週間、死ぬ気で勉強するしかない。
私たちは元々同じくらいの成績だったから、勝負は五分五分だ。

この勝負に勝てば凛ちゃんたちと仲直りできるし、葉山くんとも一緒にいられるのだ。


グッと拳に力を入れて、覚悟を決めた。