いつか謝れるかな。
本当のことを打ち明けられるかどうかはこれからの私たちの関係次第だよね。
願わくば、もっと葉山くんのことが知りたい。
「ありがとう、葉山くん。私なんかに優しい言葉をくれて」
「君だから、だよ」
「うん」
例え私が葉山くんの好きな人に似ているために優しく接してくれているとしても、それでいい。今、この時を大切にしたいと思うんだ。
「スプレーを取ってくるから、待ってて」
生徒会室に入っていく葉山くんを見送り、温もりがなくなった肩をさする。
私の中でのヒーローは亜夜だけだった。
でも葉山くんも優しく、私を見守ってくれている。なんだか、くすぐったくて贅沢だ。


