その手をぎゅっと掴めたら。


またそっと肩に手を置かれた。

「ずっと一緒だった幼馴染も、信頼していた親友も、結局は俺から離れていった」


「……」


「だから人との付き合い方とかよく分からなくて、さっきは君の話を途中で遮ってごめんね」


あ、うちの喫茶店の話の時かな。


「あ、全然!大丈夫!気にしてないから!」


強めの口調になってしまったが、首を左右に振る。

幼馴染も、親友も、もしかしたら葉山くんの恋人も、みんな彼から離れていってしまったのだ。


「それに葉山くんから離れるつもりはないよ。私、決めてるから。葉山くんに嫌がられるまで、傍に居るって」


「……」


葉山くんには私の薄っぺらい言葉は響かないし、信じられないかもしれない。…今はそれでいいよ。


「いやなんかさ、私、生徒会に知り合いいないし、部外者がずかずかお邪魔してご飯食べてるのもどうかなって。見つかった時、気まずいかなって」

最初からそう伝えていれば、葉山くんに悲しい話をさせることもなかったのに。謝るべきはこちらの方だ。