その手をぎゅっと掴めたら。


「おはよ」

内心焦ったが、葉山くんは挨拶だけしてすぐに私の横を通り過ぎた。

絶対にバレないようにしないと。
葉山くんがどんな反応をするかは分からないけれど、心配をかけたくない。


「おはよう、葉山くん」


私の方をちらりと向き、窓の外を向いてしまった。でもなんだか昨日よりも距離が近付いた気がする。


すぐに部活終わりの生徒たちが教室に流れ込んできて、賑やかになる。

落書きの犯人が凛ちゃんかは分からないけれど、友達を疑うなんてどうかしてる。

今日はちゃんと話せるといいな。