その手をぎゅっと掴めたら。


「はぁ?なにそれ?」

不穏な声が部屋に響く。


「絶対、真奈が過去の女に似てるんだよ」

「…私もそんな気がしたの」


昨日の嘘告白のこと、今朝のこと、放課後のこと。全て吐き出した。

ひとりで溜め込むには重すぎて帰宅後、息つく暇もなく言葉を連ねた。


「葉山くんが好きな人と、私は似てるのかなって」

「真奈が他の女の代わりだと?そいつ、マジで許せねぇ」


ドンッとテーブルを叩いた彼女は不機嫌さを隠すこともなく、舌打ちした。

私のために本気で腹を立ててくれている彼女は、中学時代のクラスメートである宮内 亜夜(みやうち あや)。

私をいじめから救ってくれた恩人で、今はおじいちゃんが所有する家で2人で暮らしている。