その手をぎゅっと掴めたら。


最初はキラキラとした粒が舞い、次第にその光は強くなり、青山さんの身体を包んだ。


ディズプレイには『0:0:30』と表示され、思わず目を閉じてしまいそうになるくらいの眩しい光に変わる。


「瞬…!」

「青山さん!!」


必死に目を開けるが、徐々に青山さんの輪郭がうすくなっていき、少しずつ少しずつ消えて行く。


「大丈夫。なにがあっても2人なら乗り越えられるよ。2人の人生に…幸あれ!!」


大きな声で、まるで残された力を振り絞るように青山さんは言った。


そして、ピピピピピッ…と携帯からアラーム音が響き、


より一層強い光が放たれ、


青山さんの姿は完全に消えた。






消える瞬間、

「一生、一緒にいような。あの日、北斗にそう伝えたかったんだ」


そう最後の言葉を遺して、青山さんは逝ってしまった。




青山さんのトートバッグも、携帯電話も消え去ったが、椅子に残った彼の温もりだけはしばらく消えなかった。