その手をぎゅっと掴めたら。


青山さんは中学生とは思えない程に身長が伸びて、現世に戻ってきたという。元々身長が高くスカウトも何回かされていたと話してくれたが、大学生になった青山さんは180センチに到達したようだ。

葉山くんが見せてくれた写真と比べると、あどけない表情が、精悍な顔つきへと成長している。


3人で写真を撮ったけれど、残念ながら青山さんの姿は写らなかった。


「写らないか、仕方ないね。でも北斗と真奈ちゃんの間には俺が映ってるってこと、2人は絶対に忘れないでね」


私と葉山くんの間に不自然な空間はあるが、今日の奇跡は一生、忘れられないだろう。


「後、真奈ちゃん」


「なんでおまえ、馴れ馴れしく名前を呼んでるんだよ」


青山さんは出会った頃から名前で呼んでくれていたから少しの違和感も感じていなかった。おじいちゃんの姓も佐野だしね。



「うるさいなぁ。羨ましかったら、北斗も名前で呼んだらいいじゃない。ね?」


「は、はい…」


「ごめん、北斗。真奈ちゃん嫌がってるわ」


「そんなことないです!」


からかうように笑いながら私たちを交互に見た青山さんは葉山くんの肩を強めに叩いた。


「初々しいカップルだねぇ」


「あ、青山さん。それで私が何か?」


肩をさする葉山くんの代わりに話題を変えた。


「うん。凛ちゃんの両親は離婚に向けて進んでいるみたいで、彼女としては複雑な心境みたい」


校外学習後も凛ちゃんにはメールを送り続けていた。未だに返事はないけれど。