青山さんは手を放し、袖で涙を拭った。
「……タイムリミットが後1時間だと言うなら、その後、瞬はどうなる?」
「死ぬ前に一杯、コーヒーを一緒に飲んでよ。それで俺は成仏できる」
「……」
返事の代わりに葉山くんは青山さんに近付き、その身体を勢いよく抱き締めた。
「こんなにも温かいのに、いなくなるのか」
「蘇ってること自体、おかしいでしょ。北斗が俺を呼ぶからだよ。…何年経っても、呼び続けるからたよ」
2人の抱擁に、涙が止まらない。奇跡の瞬間を前に平然といられるはずがない。
神様がいると言うのなら、葉山くんの想いが届き、こうして青山さんと再会させてくれたのだろう。神様は葉山くんの強い強い想いを無視することができなかったのだ。


