「訳が分からない」
瞬きもせず青山さんを見つめる。
事前に私から説明することを青山さんは拒んだ。もしも青山さんの姿が葉山くんに見えない場合、それは残酷すぎる真実になってしまうから。もうこれ以上、葉山くんに何も背負わせたくないと、勝算が100%でない賭けはしないと彼は言い切った。
「佐野にも見えるの?」
潤んだ目で葉山くんは問う。
「私にはこの半年、お店の常連客として接してきたの。葉山くんから写真を見せてもらった時は心臓が止まるかと思った」
「彼女も俺が北斗の親友で、実は死んでる人間だったってことを最近知ったばかりだよ」
「仮にこれが夢でないと言うのなら、なんでもっと早く会いに来なかった。1年もなにを…」
「ずっと隣りにいたって言ったでしょう。北斗に俺の姿が見えなかっただけ。真奈ちゃんのおじいさんと色々検証した結果さ、さの喫茶でなら17時から1時間、俺の姿が見えることが分かった。まぁその条件でも見えない人もいるんだけど」
「……」
理解し難い目の前の出来事にさすがの葉山くんも混乱している。
「さの喫茶に向かっている途中の事故だったし、死亡推定時刻が18時だったらしいから関係してるのかな…」


