その手をぎゅっと掴めたら。


再び葉山くんが口を開こうとしたところで、

ゆっくりと、扉が開いた。


黒縁眼鏡と白いシャツといういつもの格好で青山さんが入り口に立つ。



「佐野?また聞こえてない?」


そう言いながら、葉山くんは私の視線の先を追った。



葉山くんが店の入り口を振り向くと同時に、私は彼を凝視する。


どうか、どうか2人が再会できますように。


「……」


葉山くんは、入り口を見て固まった。


その目はこれ以上、開かないであろう限界まで見開かれている。


「しゅ、…ん」


葉山くんの口から吐き出された言葉に、目の奥が熱くなった。