その手をぎゅっと掴めたら。


オレンジピールを練り込んだパウンドケーキとサンドイッチをお皿に乗せ、生クリームを添えた。


「他にも誰か来るの?」


3つに並んだお皿とフォークを見た葉山くんは言った。


「もしかして亜夜ちゃん?」


「17時頃になったら来ると思うの。誰かは、来てからのお楽しみだよ」


「今日は金曜だから、常連さんの可能性もあるのかな」


鋭い考察を笑って誤魔化す。
そうだよ、常連の方だよ。これまでも"特別な常連さん"としてお店を開け続けて来たけれど、もっともっと深い意味があるんだ。


「みんな揃ってから、コーヒーを淹れるね」


17時まで後15分。