その手をぎゅっと掴めたら。


「手、勝手に繋いでごめんね」


白湯を飲むと、葉山くんの顔に赤みが戻ってきた。


「むしろ嬉しかったよ」


カウンター越しに見つめ合う。
照れ隠しに先に逸らしたのは私の方だ。


「俺、佐野がいないと何もできないよね」


「そんなことないよ」


再び視線を合わせて否定する。
それでも葉山くんに必要とされることは彼女として誇らしい。

青山さんが繋いでくれた縁は、こんなにも温かいものになった。


「ひどく目が腫れてる。今さっき泣いただけで、そんなには腫れないと思う。俺のためにひとりで泣いてくれていたの?」


「…以前にもさの喫茶に来てくれようとしたことがあるでしょ。その時も相当な覚悟でいてくれたんだなって考えれば考える程、やりきれない気持ちになってしまって」


「ありがとう。でももうひとりで泣かないで。傍で君を慰めてあげられない」


優しい言葉に頷く。

そうだね。
今日が終われば隠し事が全てなくなり、ひとり悩むこともなくなるだろう。後、もう少しーー。