その手をぎゅっと掴めたら。


しかし、

13時になっても葉山くんは現れなかった。
メールを確認するが、連絡はない。

14時、やっぱり来ない。
どうしよう。電話をした方がいいのだろうか。

葉山くんは私が待っていると分かっているのに、連絡もなく約束を破る人ではない。例え、どんな理由があっても。

事故にあったのだろうか、そんな不吉な予感が過り、慌てて振り払う。


ダウンを着ていても寒い構内で、じっと待つ。


電話をして「やっぱり行かない」そう言われるのが、一番怖い。私からはかけられない。


15時、まだ来ない。
一番の可能性は途中で気分が悪くなってしまったということだ。この間みたいな発作が起きていたらどうしよう。


タイムリミットは17時。
大丈夫、まだ後2時間ある。きっと葉山くんは来てくれる。


私は永遠に待てるのだが、限りある時がそれを許してはくれない。