その手をぎゅっと掴めたら。


ジェットコースターの安全カバーを下げて、出発の合図を待つ。既に心拍数が上がっている。久しぶりのジェットコースターに緊張してしまっているようだ。周囲もテンションが上がっているようで、賑やかな声が響く。

隣りでは涼しい顔をした葉山くんが堂々と座っている。


「大丈夫そう?」

「大丈夫だと思いたいよ」


レールの先は山あり谷ありで、落下の瞬間を想像すると寒気がした。目をつぶった方が怖くないかな?


「葉山くんは叫ぶタイプ?」

「静かに恐怖を感じてるタイプかな」

「私、すごい叫ぶと思うけど、ひかないでね?」

「ひかないよ、そんなことで」


くすくすと葉山くんは笑った。
うわ、笑う余裕があるよ…私の顔は強張っていると思う。


ゆっくり動き始めると、もう葉山くんと言葉を交わす余裕はなかった。