その手をぎゅっと掴めたら。


葉山くんの返事を聞く前に、係の方から乗り物に乗るよう誘導された。

2人掛けの座席に腰掛ける。
道路のようなレールが薄い暗い部屋の中に続いていた。


「プロジェクションマッピングが沢山使われていて、映像が綺麗なんだって」


マップに書かれた案内を見ながら葉山くんは席を詰めてきて、肩が触れ合う。それが彼の返事のように思えた。


「ワクワクするね」


膝に置いたトートバッグをぎゅっと握る。楽しもう。女子の妬みの視線を気にしている場合じゃない。


乗り物が動き出し、プロジェクションマッピングの世界に導かれる。

一瞬、暗い部屋に入ったが、すぐに幻想的な虹色の灯りに包まれる。キラキラと蝶が舞う。

アニメの声優さんの声がして、冒険のストーリーが始まった。