その手をぎゅっと掴めたら。


図書室で凛ちゃんは葉山くんのことを責めていたから、前田先生は彼女に詳しい事情を話さなかったのかもしれない。

1年生の子が告げ口したと責められるくらいなら、俺のせいでいいよ。って葉山くんは言いそうだけれど…。


「それじゃぁ、またね」


背後から生徒の声がして、生徒会長はさっと話を切り上げた。


「はい」


私がそこを離れる間もなく、登校してきた生徒たちは生徒会長の姿を見ると、一斉に彼女を囲む。


「さくらさん!おはようございます」

「今日も素敵です!」


複数の声が混ざり一瞬にして賑やかになる。
あっという間に、私は蚊帳の外だ。


それでも生徒会長は私に軽く手を振ってくれたので、私も頭を下げてその場を後にした。