その手をぎゅっと掴めたら。


「青山さんは、留学されるし、英語を専攻しているのですか?」


「うん、そうだよ」


にこりと笑って青山さんは頷いた。


「具体的な出発日は決まりましたか?もう年内の…金曜日は後3回しかないですし、そろそろお別れ会の日程も決められたらって。あ、青山さんさえ良ければ、他の曜日でも私は大丈夫です!」


携帯電話のカレンダーをチェックして、もう日にちがないことを思い知る。


「それが、まだ下宿先の手続きが完了しなくてさ。海外って色々とルーズだからね」


「それじゃぁ出発日が延びて、年が明けてからになるかもですね。しばらく青山さんに会えないと思うと、寂しいです」


「あれ?それって、告白?」


ふざけて聞いてくるものだから、青山さんを睨む。


「違います」

「だよねー」


青山さんの社交的な性格であれば例え海外でも心配はしていないけれど、良き相談相手を失った私はお店を開ける必要がなくなった金曜日を寂しく思うだろう。