その手をぎゅっと掴めたら。


お腹も満たされ、私たちはハンバーガーショップの前で別れた。トレーニングのために英知くんは家まで歩くと言う。


「今日は本当にありがとうございました。久しぶりにお話しできて楽しかったです」


「俺も楽しかった。またな」


「はい、またお願いします」


「俺が言うのもあれだけど、テニス頑張ってね」


それは葉山くんなりの精一杯のエールだったと思う。


「はい!頑張ります!」


心から嬉しそうに英知くんは笑った。

最初こそ緊張していたものの久しぶりの再会とは思えないほど、2人の空気感は穏やかで親密だった。


正直、ここに居るのが私でなく、瞬さんだったらって。思ってしまった。