その手をぎゅっと掴めたら。


英知くんは私たちを見つけると小走りで駆け寄ってきた。葉山くんが片手を上げて迎える。


学校の紋章が入ったリュックと、スポーツバッグ、そしてテニスラケットの形をしたバッグを肩に掛けていた。短めに整えられた髪の毛は艶があり、さらさらと揺れる。どこの美容院に通っているのか教えてもらいたい衝動に駆られる。

小柄で華奢だが、実は体育会系というギャップの持ち主だ。


「すみません、お待たせしました」

「大丈夫だよ」

「佐野さんも今日は来てくれてありがとうございます」

「こちらこそ誘ってくれてありがとうございます」


相談会では高校生活の先輩らしく上手く話せなかったし。今更、繕っても仕方がないのでとりあえず肩の力を抜いておく。


「で、どこ行くの?」

「いつもの、ハンバーガーでいいですか」

「いいよ」


葉山くんは頷いた。
2人でよく来ていた街なのかな。