その手をぎゅっと掴めたら。


短めの制服のスカートから覗く鍛えられた綺麗な足をつねる。


「茶化さないでよ」

「だったらさ、北斗にどう思うか聞けば。それですっきりするでしょ」


亜夜は私とは正反対だ。
よく傷まないなと不思議に思う金髪と、負けん気の強そうな目と、堂々とした言動。

私にないものを全て持っている女の子で、どうして私なんかと親友をやっているのか、時々とても不思議に思う瞬間がある。


「それで友達と過ごすと言うなら、デートで別の遊園地に行けばいいんじゃない?あんたは彼女で、そういう特別な権利を持っているんだから、大きく構えてればいいんだよ」


私の手から逃れるように足を組み直した亜夜は説得力のある助言をくれた。


「うん、そうする!」


亜夜には葉山くんの過去を伝えた。
迷ったけれど、親友に隠し事はできない。私では背負いきれない彼の痛みについて語った時、彼女はただ一言、こう言ってくれたのだ。

『一緒に悩めばいいんじゃない、それも愛でしょ』
真顔でそう返してくれた彼女は、やっぱり最高の親友なのだ。