葉山くんのお母さんはショートのボブヘアーがよく似合い、肌がとても綺麗だった。
葉山くんの小顔と、ぱっちりとした二重はお母さん似のようだ。髪色も同じだった。
着替えを用意しておくからシャワーを浴びるように促され、素直に借りることにした。
お湯が冷めきった身体を温め、さらに葉山くん家のお風呂というシチュエーションが顔を熱らせる。
うわっ。
鏡に映った自分の顔は酷い。
マスカラが剥がれて、目元は真っ暗だ。無意識に噛み締めていたであろう唇は皮が剥け、薄ら血が滲んでいる。
中でも階段から落ちた衝撃で擦りむいた腰と足、そして手の傷がひどく染みた。
壁を殴ってできたその傷は擦れて血が滲んでいたが、それより骨にヒビが入っていたら嫌だなぁと呑気に思う。やっと退院できたというのにまた通院とは頭が痛い。
洗面所にはお母さんのものと思われる薄い黄色のスエットが用意されていた。そして封を開けていない下着まであった。有り難く使わせていただき、洗面所の扉を開ける。
どこに行けば良いのかな?と、廊下に出れば、
葉山くんが壁に寄りかかっていた。
メイクを落とし、髪も濡れたままの無防備な姿のせいで気恥ずかしい。


