その手をぎゅっと掴めたら。


週明け、やっと自宅に戻ることができた。

しかし学校に通うのは念の為に様子を見て明日からと言われ、仕方なく父との約束を守った。


それでもどうしても、今日、葉山くんと話がしたくて。


放課後、ホームルームが終わる時間に合わせて学校に向かった。

校門で葉山くんを待つ。


退院を知らせたメールの返事はやっぱりなくて、もしかしたらまだ学校を休んでいるかもしれないけれど、じっとしていられずに来てしまった。

いつからこんなにも行動的になったのだろう。


罰ゲームで告白した次の日、葉山くんを待った場所で、今日もまた彼を待つ。あの日以上に彼と話せることを心待ちにしている自分が居た。


「あれ?あなた…退院したの?」


長い髪を揺らしながら私の元へ駆け寄ってきた彼女から甘い香りがする。


「生徒会長…」


「もう大丈夫なの?退院したの?」


「はい。もう元気です」


葉山くんが笑顔を向ける、そんな特別な相手に今は会いたくなかったな。