その手をぎゅっと掴めたら。


病院まで来てくれたせいで風邪を引いて、学校も休んでいるのだ。葉山くんにとってもメリットはなかった。


「でもね、階段から落ちる前に…私、葉山くんに腕を振り払われたの。葉山くんの中で、別れようってもう決めていたのかもしれない。私が可哀想で、なかなか言えなかったのだと思う」


もしかしたらうちの喫茶店に来てくれようとしていた土曜日。本当は別れ話をしようと思っていたのかもしれない。


「…は?それって、あいつのせいで階段から落ちたってこと??」


目を見開いて亜夜の顔が迫ってきたので、素早く首を振る。


「それは違う!本当に関係ないの!」


「…そう。でもなんか、無性に北斗を殴りたくなってきたわ」


「悪いのは私だよ。罰ゲームから始まった関係だよ。彼がどんな形で終わらそうと、私はなにも言えない。そんな権利ないもん」


後悔しても遅いけれど。
クラスメートとして仲良くなって、恋に発展できていたら、もっと普通に、ごちゃごちゃした感情なく、失恋に胸を傷めて葉山くんのことを責められていたかもしれない。

100%こちらが悪いって思っているから、私は葉山くんを嫌いになれそうになくて困ってるんだ。