その手をぎゅっと掴めたら。


喉が渇いちゃった、とお財布を持って廊下に出て行く雪ちゃんを見送る。

モテ王子が適任かもね、と雪ちゃんが葉山くんを推してくれた。あの言葉がなかったら、もしかしたら他の人に告白して、葉山くんと仲良くならなかったかもしれない。

そう考えると少し怖い。
それに雪ちゃんに頭が上がらないよね。


葉山くんの方を何気なしに見ると、少し目が開いていた。ぼんやりとこちらを見ている。


「ごめん、起こしちゃった?」


「ん…」


「雪ちゃんと仲直りできたよ。本当に良かった…」


安堵しながら答えると、葉山くんは微笑んだ。


寝起きだからか少しだけ目を細め、目尻が下がっている。

朝から色気がダダ漏れです。


「ん」


葉山くんが手を伸ばした。

左頬は机につけたまま、顔だけ私の方を向いている。


「なに?」


そっと彼に近付く。