その手をぎゅっと掴めたら。


早速家に帰って開口一番、亜夜に葉山くんのことを報告する。

残念ながら来週の土曜日はライブのリハーサルがあるらしく、葉山くんとの初対面はお預けになってしまった。


「会えないことは残念だけど、良かったね。すっかり恋人同士じゃん」


7月半ばに私たちは付き合い始め、もう少し経てば9月も終わる。


「うん。亜夜のおかげだよ」


「私はなんにもしてないよ。でも真奈に信頼できる相手ができて、本当に良かった」


デリバリーしたピザを頬張りながら、亜夜は嬉しそうに言う。


「上京してきて良かったね」

「うん」

「というか、上手くないこのピザ?やっぱ定番のマルゲリータは最高だわ」

「こっちのチキンも美味しよ?温かいうちに食べて!」


しんみりとした空気を変えた亜夜は上機嫌で、私の幸せを一緒に噛み締めてくれる親友に心の底から感謝をした。