その手をぎゅっと掴めたら。


「すみませんでした」


しばらくして我に返ったように英知くんは頭を下げる。


「葉山とは色々有るだろうが、あまり追い詰めないでやってくれないか」


「……先生は、ほく…葉山さんの事情を知ってますか?」


「そりゃぁまぁ、あいつの担任だからな」


「そうですか……ご迷惑をおかけしました」


もう一度頭を下げてから、私を見た英知くんは笑った。


「あなたとご飯を食べる葉山さんは、笑ってました。葉山さんの笑った顔、久しぶりに見れて、それだけで今日来た甲斐がありました」


無理矢理に作った彼の笑顔は、哀しそうに見えた。