その手をぎゅっと掴めたら。


さすがに葉山くんも答えなかった。

「……」

「そ、そうだね。当校には優秀な生徒が多いからね」


前田先生がフォローを入れると、英知くんは頷いた。


「すみません、おかしなことを聞いてしまって。お二人はどのような学校生活を送られているのですか?今、夢中になっていることでも良いので教えてください」


夢中になっていること?
学校生活のことではないけれど、沈黙になるよりはいいだろうと、口を開く。


「私は祖父の喫茶店を手伝っています。美味しいコーヒーを入れることが今の目標かな。うちの学校は部活が強制でないから、自分のやりたいことをなんでもできると思います」


葉山くんを真似て学校の良いところを付け足してみると、それなりの答えになったと思った、が、


「コーヒーですか。素敵ですね」


あれ?また外したかな?
英知くんの答えは棒読みだった。


「僕は時間があれば図書室に行っているよ。うちの図書室は充実しているし、依頼すれば新しい本を購入してもらえよ」


「………そうですか」


ん?
英知くんの反応がだんだんと悪くなってきたように思う。
下を向き、私たちから視線を外した。