悪役令嬢はお断りします!~二度目の人生なので、好きにさせてもらいます~


 前世でも現世でも初めての両想い。

 好きな人に好きって想ってもらえることが、こんなにも幸福感に包まれるものだったなんて全然知らなかった。

 今までは悔しさや悲しさの涙だったけれど、今日はうれしさで涙があふれる。
 伝えなきゃ。アイザックに私の気持ちを。
 私はアイザックの瞳を真っすぐ見つめて自分の気持ちを告げた。

「私も好き……大好き……」
「ありがとう。大切にする。今まで以上に」
 アイザックが熱を持った瞳で、私の頬に手を伸ばして触れた。

 私はゆっくりとまぶたを伏せる。
 彼が近づくのを感じた次の瞬間、優しく口づけされた。
 全身の血液が沸騰するような感覚に陥り、恥ずかしくてうつむいてしまう。
 すると彼に「顔を見せて」と耳もとでささやかれ、ますます頬が熱くなった。

 この余裕はどこから……? 私にも欲しいわ、その余裕。
 私なんて触れ合うようなキスをしただけでも、こうなるのに。

「シルフィのこれからの未来を一緒に過ごさせてほしい」
「それって……」
 アイザックは私の手を取ると薬指に口づけを落とした。

「俺と結婚してほしい」
 アイザックのことは好きだけれど、結婚となると国の問題がかかってくる。
 ちゃんとグランツ側から許可をいただかなければならない。

「私も一緒にいたいわ。でも、まずグランツ国の賛同を得なければ……」
「それは問題ない。グランツ側はシルフィと俺の結婚を了承する。俺が学園に留学する理由がシルフィだったからな。卒業までに俺がシルフィと両想いになったら、シルフィとの結婚を認める。ただし、振られたら父上が選んだ女性と結婚するという縁起の悪い条件付きだったが」
「一緒にいられるの?」
「あぁ、全然問題はない。おそらく結婚は卒業してからになるから婚約が先だと思う。婚約に関してはエクレールの件が終わってからだろうな。父上に手紙を出しておくよ。オルニス商会経由で国に伝わる方が早いかもしれないが」
「グランツ国にも行ってみたいわ。アイザックが見てきたものを私も見たいの」
「冬休みに一緒に行こう。案内するから」
 私はうなずきアイザックの胸にもたれかかると、彼が私の頭をなでてくれている。