悪役令嬢はお断りします!~二度目の人生なので、好きにさせてもらいます~


「エクレールはグランツまで護送され、〝灰色の森〟の監獄に収監される」
「グランツにも灰色の森はあるのね」
 同じだわ。悪役令嬢、シルフィの最後と──。

 ゲーム本編でシルフィが追放されるのは灰色の森の中にある屋敷。

 グランツにあるのは、屋敷ではなく監獄だけれど。

 ゲーム本編では彼女は屋敷で数日過ごすが、まだウォルガーをあきらめきれずに再起をかけて脱走してしまう。

 だが、森を抜け王都まで戻ろうとしていると、茂みから現れた『なにか』に襲われ血まみれの姿で倒れ息絶える。
 なにかについては、ゲーム内ではっきりとした描写はない。
 
 だから、プレイヤーの間で獣や人などのいろいろな説が出ている。
 今の私とエクレール様は〝悪役令嬢とヒロインが入れ替わった〟状態。
 今までのことを考えるとゲームのシナリオのままではないが、大まかな筋は同じになるように補正されている。

 仮に彼女が脱獄したら、死亡フラグが立つのだ。

 私は彼女の死を望んでいない。ただ、自分の罪を償ってほしいだけ……。

「ねぇ、灰色の森にある監獄って脱獄できる?」
「無理だろうな。過去に一度も脱獄した者なんていない。それに、仮に脱獄に成功してもオオカミに襲われるだけだ。灰色の森の由来は凶暴な灰色のオオカミがいるからなんだよ。安心して。シルフィには二度と近づけさせないから」
 アイザックはそう言うと、私の肩を抱き寄せた。