「いいだろう……ただし、やつと同じ場所に生まれ変わるにはもう枠があまりない」

「枠?」

「さっきも他の者を奴と同じ世界に送ったばかりだからな。どんな人生になろうとも文句を言うなよ」

「おっ、お願いだから佐々木君と同じ生き物にはしてよ」


 生まれ変わってみたら佐々木君は人間で私は虫や動物でしたー、ってオチつけられたら、転生した意味なんてないし。そうなったら神を恨んで人生に終止符を自分で打つかもしれない。


「わかった」


 無表情な少年は一度首を縦に振った後、身丈よりも大きな鎌を振り上げた。


「えっ、」


 その後するであろう少年の行動を想像して、私は身構えた。

 ま、まさか……。


「では転生して(行って)くるがいい」


 そう言った後、私の予想通り少年は大鎌を私に向けて振り下ろした。その衝動と恐怖に備えて、私はぎゅっと目を瞑った——。