下校時刻が過ぎているのに、薄暗い教室から

声が聞こえた。

「誰にやられた?」 「言いません」

「その怪我は誰に?」 「絶対に言いません!」

「分かった。帰りなさい」

あちこちに怪我した女子生徒が出てきた。

教室の中にクラスの担任がいたので事情を聞いた。

「彼女、怪我していましたが…」

担任は静かに言った。

「だから口止めしてたんだ」