新人ちゃんとリーダーさん


 あ、無理だ、と思った。
 結愛が大学を卒業したら、だとか。
 夜景のキレイなレストランで、だとか。
 給料三ヶ月分の、だとか。
 ロマンチストでも何でもねぇ脳みそで、ベタだろうが何だろうが結愛の海馬に刻みつけられるプランを少しずつ、けれども着実に(くわだ)てていたけれど、「本当、何言ってるんですか」みたいな表情(かお)をされたら、もう、無理だった。

「結愛」

 誰にも、見せたくねぇ。
 誰にも、関わらせたくねぇ。
 俺のことだけを見て、考えて、感じられるように。他の野郎に横から拐われねぇように。大事に、大切に、厳重に閉まっておけと本能が叫んだ。

「結婚、すンぞ」

 だから、手始めに、この無自覚人たらしな恋人を法律で縛ろうと思う。


 ー番外編 ③ 終ー