ある日、友達の亮介(りょうすけ)のインスタの投稿を見ていると気になることがあった。
亮介の彼女が明里にとてもよく似ていたのである。僕はまさかと思ったが次明里の担当になったときに聞くことにした。
「明里ってお姉ちゃんいる?」
「いるよ、どうして?」
「いや、仲良い友達の彼女が明里に似てたんだよ。」
「田口亮介?」
やはりそうだった。僕は明里との距離が近くなった気がして嬉しい気持ちになった。
この日僕と明里は終わる時間がたまたま一緒だった。
バイトを終え家に帰ろうと歩いていると前の方に明里が歩いているのが見えた。
(家の方向同じなんだ。)
気づくと僕は早歩きしていて明里に追いついた。塾以外のところで生徒と会うことは禁止されていたため、「お疲れ様」とだけ声をかけて通り越した。
「待って!」
明里が追いかけてきた。僕は振り向いた。
「どこ住んでるの?教えてくれたら会いに行くのに。」
さすがに教えるはずもなかった。
明里が思わせぶりのような発言をすることはほとんどないので僕は少しドキッとした。
塾の外で話すと、先生と生徒という関係を忘れてしまいそうになるが、着ていたスーツのおかげで理性は保たれていた。
「ばいばい。」
明里はひまわりのような笑顔で手を振った。
「ばいばい。」
僕も手を振った。
塾内であれば、ばいばいとは言わずにさようならと言うはずなのに。
その日から明里のことばかり考えるようになったが、好きであることは認めたくなかった。
中三である教え子に先生が恋をしてしまうという自分の愚かさを認めたくなかったからである。しかも彼女持ちである僕が。
「先生、インスタやってる?」
亮介の彼女が明里にとてもよく似ていたのである。僕はまさかと思ったが次明里の担当になったときに聞くことにした。
「明里ってお姉ちゃんいる?」
「いるよ、どうして?」
「いや、仲良い友達の彼女が明里に似てたんだよ。」
「田口亮介?」
やはりそうだった。僕は明里との距離が近くなった気がして嬉しい気持ちになった。
この日僕と明里は終わる時間がたまたま一緒だった。
バイトを終え家に帰ろうと歩いていると前の方に明里が歩いているのが見えた。
(家の方向同じなんだ。)
気づくと僕は早歩きしていて明里に追いついた。塾以外のところで生徒と会うことは禁止されていたため、「お疲れ様」とだけ声をかけて通り越した。
「待って!」
明里が追いかけてきた。僕は振り向いた。
「どこ住んでるの?教えてくれたら会いに行くのに。」
さすがに教えるはずもなかった。
明里が思わせぶりのような発言をすることはほとんどないので僕は少しドキッとした。
塾の外で話すと、先生と生徒という関係を忘れてしまいそうになるが、着ていたスーツのおかげで理性は保たれていた。
「ばいばい。」
明里はひまわりのような笑顔で手を振った。
「ばいばい。」
僕も手を振った。
塾内であれば、ばいばいとは言わずにさようならと言うはずなのに。
その日から明里のことばかり考えるようになったが、好きであることは認めたくなかった。
中三である教え子に先生が恋をしてしまうという自分の愚かさを認めたくなかったからである。しかも彼女持ちである僕が。
「先生、インスタやってる?」
