圭佑さんだ。
「ごごめんなさい……
てっきり変質者かと……」
だって、
そんなに怪しいんだもん。
『いやいや、騒ぐから。
俺、かなり焦ったからね』
ハイ、すみません。
大声だそうとしました。
口塞がれた時はもう
終わったと思ったし。
「うちに、くるんですか?
フミさん家にいますよ
……ちょっと、」
機嫌がわるいかも
しれないけど。
『あはは
ちょっと、何?
喧嘩でもした?』
「喧嘩じゃない……です」
わたしが一方的に
悪いので。
『意外に頑固だからね、
連はさ。』
そう言いながらまた
サングラスとマスクを
装着し直した。
「こ、怖いです、それ……
背も大きいし
そんな格好してたら……」
『だろ?
でも
そのまま歩けないんだよね』
そのまま歩けない?
キョトンとしていると
圭佑さんは話を続けた。
『変装とか色々さ………
俺らそーゆーのしないと
歩けないんだよ。
ファンにバレると
SNSとかで拡散されたり
人だかりで
ものすごいことになったり
周りにも迷惑かけるし。
週刊誌のカメラだって
常に見張ってるって
気持ちでいないと駄目だからね
スキャンダルNG。』
