フミスタ!!!




「…フミさんは…」


フミさんは…

「戻らないんですか?
俳優に………」

人気俳優だし。
なんかもったいない感じ…

圭佑さんは記憶がなくても
演技や雑誌の撮影は
できるだろうといっていた。

インタビューもあらかじめ
打ち合わせしていれば
全然問題ないだろう、と。


『……………』


毎日毎日我が家に通うのは
フミさんにどうしても
そちらの世界に
戻ってほしいから。


「わたし………

テレビとか芸能人とか
ほんとに申し訳ないくらい
興味なかったから…

見たことあるな、とか

渋谷いったときに
あの大きな広告にいた人だな、
とか」

フミさんの認知度なんて
その程度しかないけれど。



「だけど……」



少しだけ言葉にするのを
躊躇ってしまうけれど、

それこそわたし自身の
黒い部分の問題であって……


「フミさんの大ファンや
待っている人たちは

まだフミさんが意識不明だと
思って心配してるだろうし…」



だけど
戻ったらいやだなぁ………

このままずっと
一緒にいれたらなぁ。

なんて思ってしまう
自分がいるのも
確かなんだけど……

でも………



『……………』






「記憶が戻ってきたら…」


戻っちゃうのかな──

本来いるべき、場所に……



『柚ちゃん!!!!!!』



ガバッと

布団から出てきたフミさんは


「…あ…」


泣きそうな顔をしていた。


「ごめんなさ……」


しまった。

そんなのフミさんが
1番わかってるよね。


「ごめ……」


『ねぇ、柚ちゃん。



俺は……


どうしたらいい?』




「ごめんなさい!!

もうこの話おわり!!

さ、マスターのとこに
いってきますね!!届け物……」





『俺は

ここにいたい………』