『四ヶ月ももう一緒に
住んでるのにねぇ。

あんたはともかく
そのフミさんとやらに
会ってみたいもんだわ。』

「…まぁ、夏希には
会わせたいっておもってるよ」


親友にはちゃんと紹介したい。


『あ、それよりさ!

今日、圭佑の完成披露試写会
ホントにいけないの?』

「圭佑??」


はて?誰だっけ?
完成披露試写会??

『映画だよ!映画!
“海辺の人”!!
当たったっていったじゃん!

てかマジで信じらんない。
今時家にテレビないとか。
よく耐えられるわね』


「……う…」



そう。
我が家にはTVがないのです。

まぁ独り暮らし始めるときに
必要なものを買っていたら
なぜだかお金足りなくなって

テレビはとりあえず
後回しとおもっていたら
一年以上たってたって
だけなんだけど。

「もともと芸能人とか
ドラマとかあんまり
興味ないもん。

夏希が度を超えた
オタクなだけでしょ」


『あんたわかってないわねぇ。

イケメンに癒されて
なにが悪いのよ。
圭佑だって優馬だって、

今はいないけど連だって!!

みーんな
わたしの心を満たして
癒してくれるのよ』


でたなこのミーハーめ。

夏希の俳優やら
モデルやらのイケメン好きは
ほんと!度を越えてるんだから。

だからこんな美人なのに
彼氏すら作らないし。


『でもさぁ。

あんたはいいかもしれないけど
フミさんは家にいるとき
テレビくらいないと
暇なんじゃないのぉ?

テレビ見れない家とか
つまんないっしょ?』