『マスター、
ビールの話はもうやめてよ』
『いやいや、お前ね。
酒を舐めちゃあいけないぜ。
どんな薬より効くんだから。』
『だとしてもさ…
俺もう勘弁だわ。
あのあと頭ガンガンで…』
『酒の飲めねー男なんざ
男じゃねーよ』
『いやいや、
だいたいここカフェだよね。
なんでビール出すんだよ』
チラリと二人の
やり取りを盗み見る。
だけど…
ホントに
フミさん、かっこいいなぁ…
こんなんじゃ女の子たちが
ほっとかないんだろうなぁ…
わたしだって
フミさんみたいな人に
会えるカフェなんてあったら
毎日通っちゃうかも…
『フミ目当ての女客増えたぜー』
ニヤニヤとこちらを
見ているマスター。
え?
え?
わたし声に出してた?
やだ恥ずかしい~~
『おぉ?
フミにみとれてうっとりしたり
なんやかんや考えて青くなったり
かと思えば真っ赤になったり
柚ちゃんおもしれーな。
顔に全部でてるよ』
タバコに火をつけて
楽しそうに笑うマスターは
ニヤニヤしていた。
『若いっていいなぁ』
ば、バレてる…
初対面なのに
わたしの気持ちがバレてるっ!
これって
絶対にバレてるよね!?
いつも一緒にいる
フミさんにすらバレてないのに
絶対にバレちゃいけないのに
奥さんいるのに
フミさんが好きってこと。
「わ、わたし別に…」
