それからマスターは
フミさんを雇ってくれたんだ。
フミさんは
週に3日か4日働いた。
毎日家でわたしの帰りを
待ってあの嫌な気持ちの中に
いるよりも断然よかった。
表情も柔らかくなった。
そんなフミさんには
口座もないから
マスターは封筒にいれて
手渡しでお給料をくれた。
はじめての給料日ーー
“はい、柚ちゃん”
目の前に差し出されたのは
茶色の封筒。
“お給料“
“あー!
今日お給料日だったんですね!
よかったですね!!初給料!”
“もらってよ“
“え?…は!?
ムリムリ!!
何言ってるんですか!?
貰えないですよ!
フミさんが一生懸命
働いたお金なのに!”
“一生懸命働いたから
もらってほしいんだ。
ていうか、
生活費だからコレ。
柚ちゃんのために働いたから”
