フミスタ!!!





そして、デロンデロンの
フミさんが出来上がった
というわけのようで…

『いやーまいったね、
いつも死んだような顔
してたのに。喋る喋る。』

がはは、と
豪快に笑う横で顔を
片手で隠してるフミさん。

『マ、マスターちょっとたんま』

『ペラペラペラペラ話すのは
そのうちあんたの話
ばかりになったよ』

「え、あたし?」

『柚ちゃんに
迷惑かけてばかりだから
どうしても働きたいのに

名前すらないから
雇ってくれる
わけないんだ、って。

名前もないのかって
驚いて聞いたら
“フミさん”です、だとよ。』

『マスターってば!』


“僕の名前はフミです。
優しい名前を
つけてもらいました”


『“僕の一番大切な人が
つけてくれました“

だと。

ご馳走さんな事ぬかしてたぞ』


『ぎゃぁぁぁ!!
な、なんでそーゆーのこと
言うかなもう…』

一番…

大切な人ーーー


フミさんが一番大切な人って
言ってくれたの??
今、一番大切な人…

『ごめんね、柚ちゃん。
なんか変なこといって。
酔っぱらっちゃって…』

「う、ううん!!
嬉しい!凄く」

嬉しいよ…


『あらら、
柚ちゃんもよく泣くの?』

え?
あ、あたし泣いてる??

慌てて目尻に溜まった涙を
ゴシゴシと拭き取る。

『マスターって!
恥ずかしいから!』


柚ちゃんも…?

“も“ってーー

『そのあと延々と泣き続けた
挙げ句バタンと
倒れたように寝ちまってよ。
余程つかれてたんだろうな』


フミさん。
毎晩うなされて
全然寝ていなかったから

お布団で膝を抱えて
朝を迎えるから──


『ビールの薬効果抜群だろ?』

ニッコリ笑うその顔は
口の悪さとは裏腹に

本当に優しくて

「本当ですね…」

涙が我慢出来なくなっちゃったよ。