フミスタ!!!







『なんでこんなもんっ……』



フミさんの、顔色が変わった。
声を荒げるフミさんに
怯みそうになるけれど、


お腹に力を入れて大きな声をだした。



「フミさん!!!!」


だって、

だって、あなたには
最初から……



「まってる人だっているんだよ!」


ずっと待ってる。
探しているかもしれない。

毎日ないているかも
しれない。


その人の気持ちを、

奥さんの気持ちを、
考えないようにして逃げていたのはわたし。

フミさんは、覚えていないのに……





『は?そんなの……』


「そんなの……


知らなくないよ、

記憶があるときの
フミさん……

片平連さんには




奥さんがいたんだよ」




それは紛れもない事実。

指輪を、していた。
漢字で名前をいれていた。その過程にも色々あっただろう。


そういう時期が少なくとも存在していたんだ。




「わかってるじゃん…




わかってるのに、
知らないふりしちゃ」


フミさんの顔は見れないけど

両手を握った。

精一杯の、強がり。




「もうだめなんだよ」






フミさんの帰るべき場所

そこには



どんな景色がまってるのかな?




そこには



もう




わたしはいないよ。


















『……わかった……』