『奥さん?クスッ
そうね、そうなるのかしら。』
タバコの煙を吐き出して
ゆっくりわたしに近づいた。
ふぅ……
『危ない目に会いたくなければ
あのコから離れなさい。』
もう荷物は全部しまったのに、
あまりの衝撃で
立ち上がることができない。
彼女はゆっくり
わたしの肩に触れた。
「あ、危ない目……?」
『そうね、
あなたには関係ないわ。
まぁ、
連と一緒に
恋愛ごっこもいいけど
どうせいなくなるのよ?
止めといたほうが
いいんじゃない?』
ふふふ、と微笑んで
咥えていたタバコを
足元に落とした。
「いなく……なる」
フミさんの奥さんは、
とても綺麗な人でした。
「わかっています…」
とてもフミさんにお似合いな
綺麗な人でした。