「Akiっていうんだって。
友達に借りたの。
知ってる?……よね、
ジャケット写真
フミさんだったもん。」
『Aki…』
前のフミさんなら、だけど。
「すごく素敵な声だよね。
なんか嫌なこととか
全部忘れちゃいそう。」
このジャケット写真のフミさん
めっちゃ色っぽいし。
これは借りたけど
今度こっそり買おう。
うん。
『この声は、覚えてる……』
え?
『気がする……』
「……そっか!よかった」
やっぱりフミさんの記憶は
少しずつ
戻ってきてる。
それから
二人でイヤホンを
してお店まで歩いた。
少し屈んで歩くフミさん。
ずっと、
こうしてたいな。
フミさんと並んで
歩いてたいな。
なんて、
思っては自己嫌悪。
記憶が戻るのはいいことなのに。
