『ハァハァハァハァ…ちょっ……ハァハァハァハァ…
もう……ハァハァ…
無理ぃ~……』
「なんだよ、体力ねーな!!
もうっ!!」
全然撒けてねぇ!!
つうか、一人じゃねぇじゃん。
振り向けないけど、
多分数人いる気がする。
けど
もう結構走ったし、
このまま走り続けるのは
柚がもたない。
どうするどうするどうする!
考えろ、俺!!
『悠斗?』
どこか
どこか隠れるとこ……
あたりを
キョロキョロ見渡した。
あそこだ……
グイッーー
『きゃっ、』
クネクネと細かい道を曲がって
目をくらませつつ
『……ハァハァ……
え?……ハァハァ……』
細い路地を曲がったとこで
俺は柚を
『ゆ、悠斗…ハァ……ちょ…』
思いっきり抱き締めた。
「いいから、黙ってろ」ボソ
柚の顔が見えないように
頭を押さえつけて
俺の胸に押し付けた。
『ゆ……』
柚がまた声を出そうとしたので
力一杯抱き締めると
通じたのか、声を出すのも
抵抗するのもやめてくれた。
いきなりこんな走らされたら
そりゃパニックになるだろう。
てか。
なんだよ、これ。
マジかよ……。
『悠斗?』
ぎゅうっ!!
「今は顔あげんな、
しゃべんな」
伝わってなかった。
「あとちょっとだけ
こうしてて。
な?」ボソ
「………ん。」
それっきり
動かないまましばらく
抱きあっていた。
