それが恋だと知っていた【完】




「ちょ、佐良⁈」


「ははっ。本当お前ってバカだな」


「バカって失礼な!」



ふと、大学のとき、佐良によく勉強を教えて貰っていたことを思い出した。


でも佐良の言ってる″バカ″はその″バカ″ではない気がするけど。



「本当にバカだよ。お前も、そんなお前を好きになった俺も」



耳元が少しくすぐったい。


そう思っていると、佐良は私の耳に軽く口づけをした。



「ようやく捕まえた。もう離さねえから」