「あの、この人に似合いそうな服ください」 佐良は事前にそこに入ることを決めていたかのようにアパレルショップの中に吸い込まれていって、服を畳んでいた女の店員さんに声を掛けた。 「えっ?佐良が決めてくれるんじゃないの?」 「俺女もんの服なんてわかんねえもん。そういうのは専門の人に聞いた方が確かだろ?」 「そりゃそうかもだけど……」