「ねー、華奈、聞いた?また振られたって」


教室に入った途端に私に近寄りながらまた昨日と同じ報告をしてくる結叶。


その度に私の胸はドクンと音を立てる。




「……そっか。また振ったんだ、月島先輩」


告白した相手の女の子には申し訳ないけれど、少しホッとしてしまう。




月島先輩とぶつかったあの日からもうすでに一ヶ月。


私は月島先輩のことが好きになっていた。


一目惚れというものを経験したことがなかったからはじめはピンとこなかったけれど、結叶に指摘されて自分はあの一瞬で月島先輩を好きになってしまったんだと自覚した。




───私の、初恋。




とはいえ、ね…


相手は学校で一番モテているであろう月島先輩。