「起立、礼」
「「「さよーなら」」」
その声を合図に帰りのHRが終わり、クラスのみんながバラバラと散り始めた。
「華奈ー、帰ろー」
いつものセリフと共に私の元へカバンを持ってやってくる結叶。
いつもだったら即答で帰るって言うところだけど、今日は……
「ごめん、結叶。私、今日お母さんからおばあちゃんのお見舞いに行ってほしいって頼まれてて…」
「え?そうなの?」
「う、うん…。最近お父さんもお母さんも仕事で忙しくて行けてないから、なにも用事がないのなら行ってきてほしいって…」
結叶と一緒に帰れなくなるのは残念だけど、私はお母さんのお願いを二つ返事で了承した。