体育祭の日。
花井はようやく学校へ顔を見せた。
普段通りの花井だった。
朝からまだ花井と話してないな。
俺も普段通りにしようとすればするほど、何か動作がぎこちなくなる。
ちくしょう。
体育館の壁に何度も何度も手をついた。
別に一人で壁ドンをしているわけではない。
俺は花井へまだお土産のお礼を言っていない。
それから、花井が送ってくれたラインの返信もまだしていない。
きれいな言葉を選んで言えば俺の本心じゃないような気がして。
全てどうすればいいのか悶々と悩んでいた。
俺の悩み事も今日の晴天のようになればいいと思った。



